突然ですが、私がMODを作り始めてから常に悩みになっていることがひとつありました。
それは、アトマイザと口金の組み合わせに汎用性が無いので、使用するアトマイザごとに口金を準備してMODを作らなくてはいけないことです。
変換アダプターなどでの使用も可能ですが、フィルタ部分が伸びてしまうことや、変換アダプターが無いアトマイザがある可能性もあり、結局アトマイザの種類に合わせてMODが増えてしまうことになります。全てのアトマイザを装着可能なMODは作れないものか...とあれこれ考えているうち、ある方法で口金部分をアジャスタブルにすることができそうなことに気が付きました。
というわけで、今回はフレキシブルアジャストコネクタ(Flexible Adjust Connector、通称FACとでも呼びましょうか?)の作成方法についてです。
この口金をMODに組み込むことで、ほぼ全てのアトマイザが1台のMODで使用可能になるはずです。
※一部のアトマイザは、電気的接点を確保するために多少の加工が必要となります。
後述いたしますが、口金自体は独立したコネクタにできますので、物理的に収まらないものを除けば、単三電池ケース、ライトなどベースとなるケースを選びません。
というわけで、まず出来上がりの写真をご覧ください。
3点支持方式のアジャスタブルコネクタです。アトマイザの太さが細い場合は別途記載のアタッチメントを使用すれば、1点支持だけでも使用できます。
それでは作成手順を説明していきます。今回はかなり長文ですので、あらかじめ覚悟しておいてください。
また撮影の都合などから、画像が一部実際に組み込んでいるものと異なります。あらかじめご容赦ください。
準備するもの
・外径12mm、内径10mmのアルミパイプ。(外壁用。使用するアトマイザの最大径より1mm程度大きめのものを使用してください。今回はHECのアトマイザに合わせてこの直径になりました)
・外径3mm、内径1mmの真鍮パイプ。(中央接点用)・外径10mm未満のパイプ。(中央接点のブレを抑える内壁用。通電する素材でも構いません。今回はえんぴつキャップを流用しました)
・5~6mm径のバネ。(中央接点をアトマイザにフィットさせるためのスプリング)
・熱収縮チューブ数種類。(中央接点の絶縁用)
・3~5mm径のネジ。(アジャスト用。ローレット付きなどの手回しできるものが推奨。今回は入手できるネジの長さと大きさから、4mmのローレットネジを使いました)
・使用するネジにあわせたドリルとタップ。(今回はセット販売工具を使用)
・その他各種工具、配線材料など。
それではまず、1点支持方式でMODを作る手順からです。電池ケース内部へ収納する場合はこちらを使用してください。
1.パイプ、MODケースの加工
ネジ穴はなるべく上部のふちぎりぎりを狙って切ってください。アトマイザのネジ部分の高さが短い場合、きっちり固定できません。
なお、後述の3点支持やアタッチメントを使用する場合は、外壁を直接使用しないので、ネジ穴の位置は多少内側でも構いません。
MOD本体として使用する単三電池ケースにも、アルミパイプに合わせて穴を開け、ネジ穴を切ります。
パイプ内部にもタップでネジを切っておきます。
こうすることで、HEC2などの外側ネジのアトマイザを取り付けた場合の食いつきが良くなります。(アタッチメントを使用する場合や、3点支持の場合は不要です)
うーん、センターが合わないw
2.中央接点の加工
真鍮パイプをアルミパイプよりやや長めに切ります。
先端を斜めにカットして潰してやや尖らせておくと、アトマイザの中央の穴に固定でき、空気抜けの隙間も確保できます。
先端をやや露出させた状態で、全体を覆うように熱収縮チューブを巻きます。
バネ止め用に先端部分を膨らませる必要があるので、熱収縮チューブを何層か巻き、バネが上から抜けないようにします。
今回は4層に巻いてあります。
作成した真鍮パイプよりやや短く切ったバネを取り付け、バネ止めから抜けないことを確認します。
3.接点用抜け穴の加工
今回は取り外した単三電池ケースのパネルに開いていた穴がちょうどいい感じだったので、カットしてケースに取り付けました。
必要に応じて穴を広げてください。
中央接点が通り、かつバネが通らないよう注意して大きさを決めてください。
今回は写真を撮影していませんでしたので省略しますが、えんぴつキャップを適当な長さに切って、中央接点のブレ止めとアトマイザ止めにしています。
写真のようにえんぴつキャップでも代用が可能です。
4.組み立て
電池ケースにアトマイザの穴を開け、中央接点用の抜け穴付きパネルを接着します。
今回は試作なので適当にボンドで接着しました。
赤い配線はアルミパイプとの接点用です。(アトマイザ外側と通電)
ケースとアルミパイプの間に挟むか、ラグなどを使用して別途アルミパイプとの電気的な接点を確保してください。
そのままの状態では通電に難があったので、接点部分のアルミパイプ表面をヤスリで削っておくほうがいいようです。
アルミパイプをケースに取り付け、ネジを通します。
抜け穴付きパネルが接着したことを確認したら、アトマイザの穴から中央接点を差し込みます。
5.動作確認
まずアトマイザを取り付け、電池を付けない状態で、テスターでスイッチON時の抵抗値を確認してください。
アトマイザのみと同じ抵抗値なら正常です。
というわけで電池を取り付け、動作チェックをしました。バッチリですw
手元にあるのがHEC系のアトマイザだけだったので他のアトマイザは試していませんが、太めのアトマイザなどでアルミパイプの内径が足りない場合は、もう少し太いアルミパイプを使ってください。
なお、内側にネジ切りしてあるアトマイザのうち、外側が絶縁してあるタイプのものは、あらかじめ一部をヤスリなどで削って、金属部分を露出させて通電を確保してください。
今回使用したHECのアトマイザ(白)はそのままだと見事に通電しませんでしたが、一部を削って取り付けることで正常動作できました。
6.MOD完成
タクトスイッチを付けて、とりあえずMODが完成しました。FACの調子も上々です。
HEC2/3のように外側ネジのアトマイザを使用する場合は、余ったえんぴつキャップを加工して、アタッチメントを作って使用してください。
また外側ネジの場合は、強く固定するとアトマイザのネジ山を潰す可能性があるので、あらかじめご理解のうえご利用ください。
このフリーアジャスタを応用することで、事実上パイプ、葉巻型を除く全てのアトマイザが使用できるはずです。
7.3点支持FACの作成
8.FACユニットの作成
おまけ画像